日経先物のまとめ

あまりコストダウンに結びつかないのは、人員を削減しないからである。 外資系の場合、特にオーバーヘッドのスタッフはコストであるという認識が強いため、割増し退職金などを支払ってでも、将来にわたって支払う総額と比べて安ければ、即座に実行する。
スケールメリットにはコストダウン以外の意味もある。 現在、金融業は情報産業といっても過言ではなく、情報システムの優劣が競争力に直結する。
多くの金融機関でシステム部は最大の人員を抱えるセクションであり、大手のIバンクでは年間1000億円以上の投資が行われている。 相当の資金力がなければ不可能だ。
単独では不可能でも、2社が一緒になれば思い切った投資ができるという側面がある。 その反面、スケールメリットは戦略として危険も大きい。
まず、対等合併の場合、1つの会社として機能するまでに時間がかかる。 特に人員整理に際しては、内部の力関係で朗鋸が生じることはよくある。

ビジネススクールでは合併後のマネジメントが1つの学問として確立しているくらい、煩雑なのである。 システム投資の面でも、合併前の各社のシステムが全く同じということはありえない。
新たな投資をする以前に、異なるシステムをどう統合するのか、という問題が発生する。 また、システムは単に機械やソフトウエアの問題のみならず、業務の流れを決めるものでもある。
つまり、新たにゼロから業務フローを学び、習熟することが必要になる。 この統合コストはかなりの金額に達すると考えてよいだろう。
価値創造のパターンにあてはまらず、合併はしたものの収益性が向上しない会社も多い。 いわゆる価値破壊型である。
たとえば、巨額な資産を有するCバンクが、低い収益性を向上させようと中堅のIバンクを買収するパターンである。 その原因として、まずは文化の違いが大きい。
Cバンクの事業は、たとえるならば農耕型である。 小さなディールをこつこつと積み上げる忍耐力が必要だ。
一方、Iバンクは瞬発力が問われる、狩猟型のビジネスといえる。 Cバンクの経営陣がキャピタルマーケットの狩猟民族を向こうに回していけるほど甘くなかった、ということだろう。

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